接客するとき、お客様に近づいたら逃げるように退店してしまった・・・
近づきたいけど、タイミングがわからないから遠くで見ているだけ・・・
など、お客様との距離の取り方で悩んでいる販売員さんはたくさんいるのではないでしょうか?
【第一印象編】もお話ししましたが、アプローチでもっとも大切なことは、お客様に「嫌われない!」ことでしたね。なぜなら、人は嫌いな人から物を買いたくないという心理が働くからです。
もちろん、お客様に好かれる方が良いのですが、嫌われない行動をとることで成約の確率を高めることができるからとういう理由でしたね。
という訳で、今回は距離の取り方や距離を間違えてしまうとお客様に嫌われてしまう!
について解説していきます。
今回は【お客様との距離が大事】ということについて解説いたします
最後まで読み終わると「すぐ試してみたい!」という気持ちになると思います。
また、実際やってみたけど「距離の取り方が難しい!」という方もご安心下さい。
この距離を意識して接客を続けることで確実に接客レベルが上がります。
その秘密は最後に説明しますのでリラックスしてお読みください。
パーソナルスペースとは
皆さんは普段、接する人との関係性によって無意識に相手との距離を変えていることに気づいていますか?
相手が家族や友人、恋人、職場の上司や同僚、何も知らない他人では皆さんとの関係性が濃かったり薄かったりそれぞれ違いますよね。
そんな人たちがそばにいると居心地が良かったり、悪かったりします。
なんとなく感じていると思いますが、近くにいる相手がほぼ初対面の人と家族や友人のように気心の知れた人ではそばにいるときの居心地が全く違います。
これは、接客にもいえることで何度も来店されるお得意様と新規のお客様では距離を変えないと、せっかく来店されたお客様の居心地が悪くなってしまうということなんです。
では、距離について考えてみましょう。
皆さんが買い物をするとき店員さんが近づいてきて何だか嫌だなぁと思ったことは少なからずあると思います。
それは何でだろうと考えたことありますか?
理由は分からないけど
「なんか嫌」とか
「見た目がちょっと」など
直感的に感じている方は多いけど実際の理由を深く考えたことはないという方がほとんどだと思います。
しかし理由はどうであれ、ほとんどの方は無意識に感じ取っているのは確かです。
じつはその不快感こそ、
今回のテーマ【お客様との距離は大事】が大きく影響を与えているんです。
その距離について知っていただきたいのがパーソナルスペースです。
パーソナルスペースとは他人に近づかれたときに不快を感じる距離や空間のことです。
パーソナルエリアや対人距離とも呼ばれていて簡単にいうと心理的に安心できる空間ということです。
急に人が近づいてたり、エレベーターに乗った時に人が近づくと防衛本能が働いて一瞬身構えますよね。
これは皆さんのパーソナルスペースに相手が侵入してきているからなんです。
大切なのは4つの距離での対応
実際にどれくらいの距離なのかこれについて参考となるのがアメリカの文化人類学者のエドワード・ホールさんが提唱している距離に関する4つの分類です。
その4つの距離とは
- 密接距離(インティメイトディスタンス) 0~45cm
- 個体距離(パーソナルディスタンス) 45~120cm
- 社会距離(ソーシャルディスタンス) 120~360cm
- 公共距離(パブリックディスタンス) 360cm以上
それぞれざっくりと説明します。
密接距離0~45cmでの対応
相手の体温や匂いがわかるほどのごく親しい人に許される距離でインティメイトディスタンスといいます。
接客で気をつけること
密接距離はお客様の防衛本能が働く距離です。
いきなりこの距離になると完全に嫌がられますので最初は個体距離の120cmくらいを目安に接近しましょう。
逆に親しくなればこの距離は親近感をあたえることができますので真正面ではなく斜めや真横に位置取りすると良いでしょう。
また匂いにはくれぐれも気をつけて下さい。
とにかく近い距離なので匂いはすぐにわかります。
・口臭は臭くないか?
・汗臭くないか?
・香水をつけすぎていないか?
・加齢臭がでていないか?
と気をつけることがとても大事です。
匂いは人から注意しずらいことなので自分で気づいていない方がほどんどです。
「自分は大丈夫!」と決めつけないで常に注意と確認することがとても大切です。
個体距離45~120cmでの対応
相手の表情が分かり手を伸ばせば届く距離でパーソナルディスタンスといいます。
友人や同僚など親しい相手なら不快感を感じない距離です。
接客で気をつけること
個体距離は密接距離と同様、お客様の防衛本能が働く距離です。
防衛本能が働く距離は約118cmと言われていますのでギリギリから入るとよいでしょう。
接客中に話しがはずんできたらあえてこの距離を少し縮めてみて下さい。
親近感がわきはじめますよ。
おかしいと思ったらすぐに離れましょう。
また、接客中の距離のほかにどこに立って接客するかも気をつけておくとよりよい接客ができますよ。
・斜め45度 安心感を感じる位置
・正 面 威圧的、高圧的位置
・真 横 友情や愛情を感じる位置
社会距離120~350cmでの対応
相手に届きづらいが、容易に会話ができる距離でソーシャルディスタンスといいます。
知らない人同士が会話をしたり商談をする場合の距離です。
接客で気をつけること
社会距離で気をつけてほしいのが表情や声のトーンです。
不快感を与えない距離ではありますが、表情ははっきりと見え声もよく聞こえる距離だからです。
笑顔は出ているか?
暗い声になっていないか?
など気をつけてください。
笑顔は自然な笑顔ができるように毎日訓練することが大事です。
声のトーンにも気をつけてください。
低い声でのアプローチは、暗い印象を与えます。
逆にトーンが高いと明るい印象を与えます。
トーンは上げすぎても印象が悪くなるのでドレミファソラシドの「ファ」~「ラ」のあたりの
トーンで話すと良いでしょう。
ちなみに現在、コロナウイルス対策として密接をさけるためソーシャルディスタンスをとりましょうと言われているのがこの社会距離です。
感染経路のひとつである飛沫感染を防ぐためくしゃみや咳によるしぶきが到達する距離2~3m程度、最低でも1m相手との距離をとることが推奨されてます。
公共距離350~700cmでの対応
複数の相手が見渡せる距離でパブリックディスタンスといいます。
2者の関係が個人的なものでなく、講演者と聴衆というような距離だったり一般人社会的な要職にある人物と会う場面の距離。
接客で気をつけること
店内にお客様がいなくても店の外からは皆さんが見えているので油断しないで下さい。
「ヒマだなぁ」と言って壁によしかかったり、脚を組んだり、スタッフ同士で固まって話し込んだりしないよう待機姿勢に注意しましょう。
公共距離の最大は700cm(7m)となっていますが、お客様が皆さんの姿を確認できる最長距離は15mと言われています。
15mって相当な距離ですよね。
お客様は遠くから店を見てだらしない店員さんがいると「何か感じの悪い店だなぁ」と感じ
入店しない可能性が高くなります。
仮に入店しても、そこでいきなり笑顔をつくり感じ良くしようとするとお客様は、逆に不振に思ってしまいますので注意してくださいね。
4つの距離名や距離を完璧に覚える必要はありせん。
しかし、これをざっくりとでも知っておくことで、何も考えずアプローチするより「嫌われない」確率が大幅にアップします。
また、これらの距離は相手との親密度や男性、女性によってさらに前、後ろ、横によっても違いがあります。
観察力を身につけよう
じつはこの距離を意識するということの最大のメリットが観察力のレベルアップだと私は考えています。
簡単な理由で観察力がアップするとお客様の立場に立てるようになるからです。
接客で大切なことはお客様に喜んで購入してもらうことです。
その為には、お客様は今どう感じているのか?
何を必要としているのか?等
お客様の立場に立つことが大事ですよね。
それを知るために必要なことが観察力だからです。
接客における様々なテクニックがありますが、この観察力が弱いと、どのタイミングで覚えたテクニックを使ったらよいかが、わからなくなるからです。
まとめ
パーソナルスペースの存在を知ってお客様との距離に気をつけよう
距離には4つの種類があり、それぞれ気をつけることを覚えておこう
観察力を身につけることで接客レベルは格段にアップする
以上、接客で失敗しないアプローチ方法【距離が大事編】についてでした。
ぜひ、現場で実践して効果を確かめてみてくださいね。
次回も失敗しないアプローチについて色々お話しさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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